chosu立つ

 ああ、長かった。2011年3月大学を終えても、就職しようとしなかったchosuがいよいよ、人材育成の養成所へ入ると決断。明日は、説明会と面接試験の日だ。
 どうか入所できますように。そして、かなり遠いが毎日通えますように。往復4時間弱。彼にとっては、はじめての電車通学だ。3ヶ月の勉強と1.5ヶ月の実地訓練後、スカウトが来てくれるという。
 
 神様仏様お稲荷様お地蔵様、タケミカズチ様に、chosu-manmaは今日も祈りを捧げてきた。

 だが、しかし。工事現場の手前に立つ交通整理の人にchosu-manmaが「そこのお店でおじさんも、買うといいよ。安いから」と立ち寄って買った里芋を見せて立ち去ろうとすると、「おじさんじゃないよ、おばさんだよ」と言われてしまった。
 夏の炎天下もずっと一日中立っていて、今日も立ち続けるその人は、おばさんだったのだ!
 外出するたび、その交差点の前を通るので、挨拶をしたり、自然と暑いの寒いのと会話するようになったが、その声も男のしわがれ声だった。男性と全く同じ制服とヘルメット、真っ黒な顔。その人は、小柄だがまったく男にしか見えなかった。

「ごめんなさい」ああ、悪いことを言ってしまった。「お孫さんはもう、大きいですか」と尋ねると「誰もいない、ずっとひとり暮らしだ」とまたまたいらんことを尋ねてしまった。「いやあ、それは立派ですね」とchosu-manmaは、もう一度謝ってから、すごすごと立ち去った。