町田ダリア園

 12月からは抗がん剤治療を受けることになった、とサークル仲間の同僚Nさん(15歳年上)が言った。ああ、彼女は10数年前からずっと甲状腺がんと共生してきた。なんと4度の手術から回復してきたという。進行の遅いタイプなので、悪化しないように検査しながら普通の生活を続けてきたが、過日の定期検査の結果転移とがん細胞の成長が判明したのだと。
 しかし、冷静に淡々と話しており、もうこどもたちも独立しているから、憂いはないという。

 以前「一緒に、町田ダリア園へ行きませんか」、とお誘いしていたが・・・。ふたりで行けなかったので、ここは一発。chosu-manmaはひとりで、美しいダリアの花を見に行った。写真もたくさん撮ってきた。彼女に見せてあげよう。と。

 昨日サークルに行くと、なんとNさんは出席しており「昨日までラジウム温泉で湯治してきた。少し体が軽くなった」と言うではないか!
 もしかしたら、治療が功を奏して来年こそ、一緒にダリアを見に行けるかもしれない。chosu-manmaは悶え苦しみ、加勢したいとひとり相撲をとっていたのだったのか。
 
 ははは。花々の写真はプリントしてNさんや同僚たちにも、見てもらおう。昭和61年ダリア園は障がいのある人が働く農園の一部として、町田市によって創設された。ここのことは『暮しの手帖』で秋山ちえ子さんの記事を読んで知った。
 20数年前と5年ほど前、そして今回。行くたびに、花の色は変わらず美しいが、施設にいろいろ変化がある。休憩所にはソフトクリーム、コーヒーの機械が入り、かけそば一種類のみのそばやが開店していた。
 ソフトクリームの味はいまいちだったが、そばは美味しかった。かけそばに薄いかまぼこと別皿に天かすとネギがちょっぴり付いていた。お水のグラスが、どこかで見たことがあると思ったら、なんとモロゾフプリンの容器が再利用されていておかしかった。テーブルには、巨大なダリアの花がお皿に浮かべてあった。美しかった。店員さんは、大勢いて懸命に教えられて覚えたセリフを言って、客の対応をしていた。

 22日この日は快晴。陽の光の眩しいこと!暑かった。平日だったが、カメラを構えるお年寄りや中高年女性がちらほら。ゆったりとゆっくり鑑賞できた。しかし、老眼と近眼、白内障手術をしたものの、視力が劣るchosu-manmaは、撮影時にメガネをかけたり外したりして、ふらふらしてきた。それぞれのダリアが、美しくて色も形もさまざまでたくさんたくさん咲いているので、どれも写したくなってしまったのだ。電池切れまで撮影した。疲れた。クロアゲハ、ヒョウモン蝶、ベニシジミ、ウラギンシジミ、大スズメガ、アブ、ミツバチ、蟻なども嬉しそうに蜜を吸いにやって来ていた。赤とんぼ、ムギワラトンボ、ハナグモも彼らを補食しに来ていた。

 かやふきんと絵葉書、クリアファイルなどをおみやげに買った。またchosu-pampaのために、色とりどりの大輪のダリアの切り花500円で6本も。彼は、この翌日還暦の誕生日なので、これをプレゼントにしよう。こんなに散財できたのは、chosu-pampaのママのおかげ。義母が嫁にも息子と同額の還暦祝い金を贈ってくれたから。ありがたや。