ちょス飯の映画評
『3度めの殺人』 ネタバレ注意 ★ゼロ
- 出版社/メーカー: アミューズ
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何が真実なのか、さっぱりわからぬまま。
観客が想像してくれというのか。殺人犯は、自分が不幸な生い立ちだ、生まれてこなければ良かったというが、彼は世の悪人を滅ぼすヒーローなのではないか。しかし、この世では「殺人者」と判断されて絞首刑になるという、皮肉。
最後まで彼の娘は登場しなかったが、・・・。父親に性的虐待されていたという、娘の証言も映像がなく、証拠もない。そして60歳近い殺人犯と女子高校生が肉体関係を持つ仲だというのは、あまりにも突飛な設定だ。少女のために彼女の父親を殺したというより、彼女が殺したのをかばっているということなのか。
裁判官は人の生命を自由にできる商売だというのが、結論なのか。「復讐するは我にあり。」と神はのたもうた。
人は人を裁けない。
はじめから最後まで薄暗く、重々しい画面ばかり。もっと救いのある落ちにしてほしかった。
『天国と地獄』 ★★★☆☆
- 出版社/メーカー: 東宝
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黒澤明監督は、三船の容姿にぞっこんだったのだろう。彼は絵になる。
今回の発見は、刑事側の張り込み、尾行、思惑がトントン拍子に犯人逮捕に結びつきすぎだということだ。初見のときは、手に汗握って見ていたが、もう少し失敗や紆余曲折があってよいだろう。新聞記者達に、刑事が偽記事を書かせるというのは、今では考えられない。ただし、人命がかかる誘拐事件は今でも、発表を控える措置が取られている。
医者を志すものが、貧乏で金持ちの家の住人を憎むというのは、当時の設定としても変だ。苦学生はいただろうが、貧乏人はたいていそれほど賢くないものだ。しかし、靴屋のおやじは苦労人で、資産家でもなんでもなかったのに、スラム街から見える御殿に住んでいると言うだけで、憎悪の対象となっていったのだ。
ヘロインの効果の実験だいとして殺された薬中の娼婦が、可哀想だった。完全犯罪は、やはり手下を殺すことで成立するのか。