ちょス飯の映画評

 『3度めの殺人』 ネタバレ注意 ★ゼロ

 これほど面白くない映画も、是枝監督は作れるのかと恐れ入った。法定ドラマの内幕はまあまあわかったけれど、・・・。
 何が真実なのか、さっぱりわからぬまま。

 観客が想像してくれというのか。殺人犯は、自分が不幸な生い立ちだ、生まれてこなければ良かったというが、彼は世の悪人を滅ぼすヒーローなのではないか。しかし、この世では「殺人者」と判断されて絞首刑になるという、皮肉。

 最後まで彼の娘は登場しなかったが、・・・。父親に虐待されていたという、娘の証言も映像がなく、証拠もない。裁判官は人の生命を自由にできる商売だというのが、結論なのか。「復讐するは我にあり。」と神はのたもうた。
 人は人を裁けない。

 はじめから最後まで薄暗く、重々しい画面ばかり。もっと救いのある落ちにしてほしかった。