樹木希林さん逝く

 9月15日深夜2時、樹木希林さんが前日病院から退院して亡くなったという。
 追悼番組を見るにつけ、なんと本音で堂々と生きてこられた方だろうかと感銘を受けた。報道されないが、彼女には信仰があった。揺るぎない信念も。
 物を買わずに生きるという記事が、25年くらい前の『暮しの手帖』に載っていた。

 自分は大したことないのだと、気づいたそうだが、・・・。なんという幕引き。

 全身癌の痛み苦しみを微塵も周囲に見せなかったのは、演技だったのだろうか。一人娘の也哉子さんが、本木雅弘と結婚して3人も孫を産んでいるが、どんなに嬉しいことだっただろうか。彼女は孫がなつかないと嘆くふりをしていた。

 フジカラーのCMは本当におかしくて、彼女のプロに徹する姿勢を思う。

 映画『あん』のなかで、ハンセン病患者の苦しみを演じているが、とても明るい表情だった。市原悦子が友人役だった。彼女も闘病中だ。どうか回復してほしいと願う。浅田美代子が、死の床で看病していたようだが、この映画ではお馬鹿な意地悪な世間を代表するこがねもちのおばさんを演じていた。見ているchosu-manmaは本当に彼女を憎たらしく感じたが、実はこれは浅田の演技があまりにうまいからなのだった。

 岸本加世子もしかり。樹木希林さんと共演した人は、皆彼女を好きになってしまうのだなあ。吉永小百合さんもしかり。 
 
 もう、病気に苦しめられることはない世界に行かれた希林さん。どうぞ安らかにお眠り下さい。 合掌
 
 これだけの病気を抱えて仕事を続けておられたことにも驚くが、内田裕也の狼狽に微苦笑。いつ死んでも良い状態だったのに。彼には心の準備も何もできていなかった。ロッカーはそういうものなのか。

 いやいや彼女の遺作がまだまだ公開を待っている。是非映画館へ行って見よう。浅田美代子主演の映画は、まさに最初で最後の希林さんの制作なのだという。