ちょス飯の読書日記
『煤の中のマリア』 島原・椎葉・不知火 紀行 ★★★★☆
- 作者: 石牟礼道子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2001/02/01
- メディア: 単行本
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『アニマの鳥』『天湖』の構想を練ったり、書き終えてから現地を見に行ったりしたときの風景や出会った人、案内してくれた郷土史家の面々が描かれている。
しかし、眼が悪く足も萎えていた筆者が、噴煙を上げている雲仙近くをよく周ったものだ。
小さな海辺の生き物や、樹や草の描写が深い愛情を込めて描かれている。
それしにしても、鈴木重成という役人のことは、もっと日本の歴史教科書に取り上げるべきだと思った。彼は、島原の乱で斬首された一揆民の慰霊のために、寺を建立。領民のために年貢の半減をお上に申し出て、なんと切腹して一生を終えたという。
未だに、鈴木様を慕う天草の人々。小さな鈴木神社が点在しているというが、私もいつか、お参りしたい。
隠れキリシタンの郷、水俣病記念館など石牟礼氏の物語の地を歩いてみたい。
写真入にしてほしかったので、マイナス1。地図だけでは、物足りない。