ふたりでお茶を Ⅱ

 D紙を発行して、午後二時くらいだったか。帰宅途中に夕飯の素麺を買おうとスーパーに立ち寄り、その前にちょっとコーヒーブレイクをしようと無料のコーナーで座っていたら、「ここ、いいですか」とこぶとりの可愛らしい、やや林真須美似の中年女性が、やって来て座った。D紙を読み返していいたら、「バス停はどこか」「家電量販店はあるか」などとしきりに話しかけてくるので、読むのをやめて地図を書いて、説明した。
 すると、彼女はこの街で次男と住むアパートを探しているとのことだった。
 彼女は昼ごはんを食べるということで、巻きずし、ビビンバ、鶏のから揚げなど4品のお惣菜を、ぱくぱくと食べるのだった。すごい食欲!

 そして身の上話をし始めた。これがなかなか面白い。chosu-manmaも見知らぬ人とのトークを楽しんだ。自宅は蒸し風呂状態だが昼間は冷房しないので、スーパーで涼んでいられて楽ちんだったし。ひとりで何時間も粘ることはできない。

 しかし、冷え性のchosu-manma。ポストの集配時刻15:30が迫ったので、では、これで、と握手をして別れた。

 彼女の半生はアル中の旦那の借金返済と母親の介護で大変だったらしい。「これからは、きっと良いことばかりですよ。そうだ!結婚はしなくとも、男性と恋をしては」と別れ際に伝えると、「男は怖いからいらん」とのことだった。

 帰宅しようとすると、「chosu-manmaああ」と彼女が追いかけてきた。途中まで一緒に歩くが、初めて会った人には自宅を教えない方が良いだろうと、とっさに
よろずやへ立ち寄って、そこで別れた。

 ああ、どうか彼女がこれからの人生をうんと楽しめますように。とはいえ、明るくて見しらぬ人とすぐ仲良くなってしまえるのだから、彼女は十分ハッピーだ。