ちょス飯の読書日記

 『100分de名著 苦海浄土』  ★★★☆☆

 番組を見逃したが、友人に借りて読んだ。
 批評家若松英輔氏の解説、参考文献の紹介など盛りだくさんだが、やや学術的過ぎて、一般読者には敷居が高い。

 物語の背景はよくわかるが、石牟礼氏は患者のいのちのみならず、海の魚、小さな巻き貝やカニを深く深く愛している。そして、水銀中毒で冒されてしまった患者たちの生活の中の歓びや、そこはかとないユーモア、おかしみが描かれていることの指摘がないので、マイナス2★とした。