ちょス飯のテレビドラマ時評

 『モンテ・クリスト伯』  ★★★☆☆
 主人公サイモン・ダンをディ−ン・フジオカが好演したが、ひどい目に遭わされるのが、わずか初めの一話だけというのは、ちょっと軽すぎる。
 彼の苦しみと、牢獄島で出会った爺さんとの交流、何より教養を付けていくところを、丁寧に描いてほしかった。
 頭が良くなければ、復讐はできない。

 そして、当時しょぼかった人々が、表舞台に躍り出ているのも、ドラマ的とはいえ、解せない。

 何よりラストが良くない。現代の日本に原作を投影すると、こうなるのかな。いや、復讐の虚しさに気づき、皆を許して彼は去っていくというラストであってほしかった。

 一番の悪役刑事が、愛人との間にできた息子を殺そうとしたところは、悲しかった。母子姦淫の場面で、母親が動転しないところは、リアルではない。

 それにしても、次々と身内を殺そうとする刑事の妻は恐ろしかった。彼女に3★進呈。