ちょス飯の映画評
『はなちゃんのみそ汁』 ★★★★☆
- 出版社/メーカー: オデッサ・エンタテインメント
- 発売日: 2016/06/02
- メディア: DVD
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姑役の高畑淳子が、ごく普通の発言をする。がんを発病している女性とは、結婚してほしくない。これは、当然の母親の言葉だ。もう少し、嫌がらせをしてほしかった。
実話をもとにした映画。ヒロインに広末涼子。彼女の明るさ、美しさ、強さが素晴らしかった。福岡の地方新聞記者である夫に滝藤賢一。彼のひょうきんさ、辛さを見せない看病の態度は、同じような病人を抱える周りの人に、感銘を与えたことだろう。子役の子も、棒読みのところが良かった。
日本古来の玄米や味噌汁、漬物梅干しが実は、がんになってしまっても、その体の環境を変えていくという奇跡は、実際にありえると思う。しかし、やはり一度消えたかに見えたがん細胞は、散り散りになっていただけで、数年後には全身に転移してしまう。
一人娘を残して逝くというのは、どういう心境だっただろうか。
彼女は、食の大切さをわずか5歳の娘に教えて、実際に味噌汁を作れるように仕込む。
わたしも、もっと味噌汁を丁寧に作ってみようと思った。
食生活の改善は、確かに体調を整えることだろう。
ただ、綺麗なシーンばかりだったのが、残念。弱っていく母に対する、こどもの葛藤もあったはず。抗癌剤治療の地獄も、描いたほうがより深い物語となったのでは。