ちょス飯の映画評

 『カラーパープル』   ★★★★★

カラーパープル [DVD]

カラーパープル [DVD]

 いきなり、14歳の黒人の少女(ウーピー・ゴールドバーグ)の出産シーンから始まる。ようやく産み落とされた赤子は、彼女の父親によって里子に出されてしまう。初乳を飲ませることもさせてもらえす。そして、その赤子の父親は少女の父親だという。

 あまりの展開に、ぞぞぞっとした。目を背けたくなる父親によるいたいけな娘への性暴力!

 その赤子を取り上げたのは、なんと少女の妹だった。

 ふたりはこのような状況のなかでも、励まし合って愛し合って暮らしていた。が、・・・。妻をなくして家事と子守をする女奴隷が必要だと、ミスターが現れ、器量の良い妹をくれと言うが、父親は姉を嫁に出す。

 奴隷解放語のアメリカであっても、黒人男性は女性を奴隷扱いしていたことが描かれている。あまりに、ひどい。暴力で妻やこども達を支配するミスター。

 しかし、黒人女性の中にも差別を許さないと意見するものも現れる。ミスターの息子の嫁だ。彼女の当然の発言や行動は、白人たちには犯罪と見なされ、収監されて半殺しの目に遭わされてしまう。

 ご主人様の言うことに逆らわず、生きながらえてきたヒロインは、妹からの手紙を隠し続けた彼を、遂に許すことができなくなり・・・・。

 黒人のある女性の半生を、白人であるスピルバーグが描こうとした。黒人のたくましさ、肌の美しさも。