友人の父上の死

 Dさんが、D紙の返事に切手1640円分を同封し、先月父上が95歳で他界したことを知らせる手紙をくれた。
 95歳とは大往生、良かったですねと言いたい所だが、・・・。彼は体調を崩し、泣き崩れているらしい。父上は二度救急搬送されたが、その度に回復していたので今回もまた元気になってくれると思っていたと。

 家族から愛されて最後まで自立していた父上。病室で手厚い看護を受けて、皆に看取られて息を引き取られたのだから、何の不足が有りましょうか。しかし、彼の哀しみ父上に対する愛情が深い分だけ激しいのだろう。

 そこで、chosu-manmaは彼になぐさめの言葉を書き送った。
ありきたりの言葉ばかりだが・・・。
 友人ふたりの父上の亡くなり方も、お伝えした。
 ひとりは、溺死。しかし、事故か他殺か自殺か判明しなかった。行方不明になってから、数カ月後に腐乱死体で発見されたからだ。
 もうひとりは、仕事帰りにいつもは通らぬ道で倒れていた。しかし、怪我はしているものの、喧嘩なのか交通事故なのか、他殺なのか病死なのかこちらも判明しなかった。

 というか、名もない庶民の死体がひとつ発見されても、警察はドラマのように、司法解剖して死因を特定したり、もし他殺なら真犯人を挙げる、ということをしないのだと、chosu-manmaは知ったのだった。

 病院のベッドで、愛する家族に見守られて旅立ったDの父上、あなたはなんと幸せな最期を迎えられたのでしょうか。

 chosu-manmaの父は、誰もいない病室でひっそりと亡くなっていった。左眼から涙がスーーっと流れていたそうだ。

 合掌

 すると、そのなぐさめの手紙に対して、感謝感激のお返事が!びっくりしたなあ、もう。母上は90歳で夫を亡くしたのだが、その寂しさに意気消沈しているそうだ。Dさんは、父上の最後の看病に疲れたのか体調を崩し、「死にそうだった」らしいが、悲しみに暮れながらもchosu-manmaの手紙に励まされたそうだ。

 すぐにまた手紙を出したい所、待て待て。もう一週間してから出すことにしよう。Dさんが、その日のうちに返事をかいているから。