座間死体遺棄事件の被害者の身元が判明する

 驚くほどの速さで、切断された遺体から採取されたDNAが遺族などから提供されたものと一致して9人全員の特定ができたという。
 まだまだ、容疑者の供述の裏は取れていないが、自供では今のところ金目的と乱暴目的で、自殺サイトで獲物を捜して、自宅で次々に犯行を重ねていたという。
 このような、住宅街で何故そのように恐ろしいことが続けられたのだろうか。
 誰も見ていない。誰にも気づかれないなんて。

 監視カメラの設置は、プライバシーの侵害につながるが、ここにもしあったなら、もっと早く事件を解決させ、以後の犯罪を未然に防げたのではないか。あるアパートの一室に入った女性が、永遠に出て来なかったのだから。

 さすがにアパートの階下の住人は、異臭や物音に気づいていた。何故、大家や管理人に苦情を言わなかったのだろうか。
 周辺の人も、死体から発する異臭には気づいていただろうに。

 被害者には、それぞれの家族があり、捜索願も皆出されていた。最後の被害者となった八王子の女性の兄の通報が無ければ、まだまだ白石容疑者は同様の犯行を続けていただろう。

 被害者は辛い境遇の中で生きてきた女性たちだった。(被害者のプライバシーは、明かすことはないと思ったが)
 現実から逃避して、ツイッタ−にすがり、そこなら助けてもらえると思ったのだろう。
 何故身近な人や、公的な相談窓口が彼女らを救えなかったのか。何故彼女らが生きている人間より、仮装空間の言葉の方を信用したのか。
 ひきこもりだった女性が、勇気を出して出てきたことで、この事件は発覚した。白石容疑者は、「一緒に死んであげる」と言ったのだろうか。「死ねる」そこに、彼女が光明を見たとしら・・・。あまりにも、哀しい。兄はたったひとりの妹に、生きていてほしかっただろうに。

 被害者のなかで、ただ一人の男性は最初の被害者の知人だったという。心優しい人だったのだろう。介護職をしながらバンド活動もしていたという。ああ、気の毒でならない。

 合掌