ちょス飯の映画評

 『ブレードランナー2049』 ★★★☆☆

 尻切れトンボ。まだこれから次の物語が始まる、ということころで終わってしまった。
 
 ゆっくりじっくり物語が展開し、アクションシーンもそれほど長くない。しかし、ずっと緊張して見ていた。
 あっけない幕切れに驚いた。

 劇場公開中なので、ネタばれはしないでおく。

 前作が2019年を設定しているというが、後2年しかない。アプリカントはまだ出現していないが・・・。

 人間は自分の意志を持たず、命令だけに従う奴隷をほしがるものなのだろうか。

 ほとんど、人間と同じ姿をしていて、知力も体力も人間より数倍優れている奴隷。さすがに、未来には人間の奴隷は違法とされているが、孤児や戸籍のない子たちはやはり奴隷として廃棄物処理場で働かされている場面があった。

 金持ちは環境が劣悪になった地球には暮らさず、別の植民星に移住している未来。貧しい、体の弱い、失業者達は地球に残った。と、この映画では描かれている。そうかもしれない。貧富の差、人間の能力格差が未来ではますます拡大し、退廃と暴力が支配する世界になっているかもしれない。

 一方、背景音楽は重厚でさまざまな場面の景色の造形も素晴らしかった。

 デッカート役のハリソン・フォードが殴り合いをしたり、危険な目に遭う場面は、はらはらした。こんな爺さんになっても、強い男なんだなあ。