ちょス飯の読書日記

 『ラプラスの魔女

ラプラスの魔女

ラプラスの魔女

  ★★★★☆
 面白くて、一気読みしてしまった。東野お得意の物理学推理小説だ。
ただ、犯罪の手法はこれを信じて真似する輩がいるといけないからか、はっきりとは示されていなかった。それでいいと思う。
 数年前に流行った、手軽に毒ガスを発生させて自殺する方法がこの物語でも使われているが、毒ガスつまり気体を意のままに操り、標的のみを殺すことはできるのか。その方法は色々考えられるが、ラプラスの魔女とされる未来を予知できる主人公のヒロインまどかは気象条件、地形などからドライアイスを使ってやってみせた。その場面は面白かったが、やはり気体が管状に地を這って進むのは、信じられない。
 また、ある遺伝子の欠損により人はここまで恐ろしいことをできるという説は、脳科学者もある程度証明していることだ。
 ただ、植物状態から生還した少年が、脳の手術により天才的な予知能力を身に着けたのに、一般大衆人を大切に思えるのか、そこのところは疑問に思った。