ちょス飯の読書日記
『ジニのパズル』 ★★★☆☆
- 作者: 崔実
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/07/06
- メディア: Kindle版
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制服のチマチョゴリをその日は着ないで、通学するようにと学校側も対策を講じているということにも驚いた。
ニュースにはならないが、きっと北朝鮮が不穏な動きを見せるたびに、日本で暮らす在日韓国・朝鮮人の人々への差別や憎悪が増す。
暴力行為をしようとする輩がいるのも事実かもしれない。
第二次世界大戦中、日本が植民地支配して来た中国や朝鮮半島の人々を、奴隷のように扱い、炭鉱などで強制労働させた歴史がある。また関東大震災での、デマを信じた一般大衆による中国人、在日朝鮮人を大殺戮したことも事実だ。
そのような過去があったことを、小中学校でしっかり教えなければならない。
今、日本に暮らす在日韓国・朝鮮人や外国人に対して、何を差別する必要があるだろう。自分たちが外国へ出稼ぎに行き、その国の人々から不当な扱いを受け続けたとしたら、どんなに辛いか、悔しいか。
日本人は、島国だからか、仲間意識が強く外国人を受け入れない人が多い。あるいは、白人や先進国の人々には寛容で、アジア人に対しては差別をする人が多い。
教育現場でも、いじめ自殺が後を経たないが、どうかどうか今、苦しめられている人々のこと、過去にあった加虐の歴史をよくよく教えてほしい。
この物語は、主人公の少女ジニが、日本の小学校から朝鮮人学校へ転校して初めて知るさまざまなことが書かれている。
ジニは、日本に住む在日朝鮮人の父親の娘だが、この世界で生きていくために受け入れねばならない現実に苦悩する。
若者に読んでもらいたい。読み手であるわたくしが年老いているからか、わかりにくい書き方だったので、★3つとした。
『血と骨』の内容があまりにも凄まじいので、比べてしまっているかもしれない。