ちょス飯の読書日記

 『遣灯使』  ★★★☆☆

献灯使

献灯使

 表紙はハシビロコウなのか、中に見開きの絵はオオサンショウウオなのか・・・。物語にどう関連しているのか、わからない。
 とても不思議な物語だった。

 福島第一原発事故の後の何年か先の日本のようだが、・・・・老人は100歳超えても死なない体になり、ひ孫世代は歩けなくなるほど虚弱な体になっている。
 日本政府も警察も民営化している。

 世界から孤立した日本。見捨てられた日本。
 恐ろしい、しかし滑稽に描かれている。

 原発事故後の文学作品は、どれもやはり原発反対を主題にしている。
 表題作以外に、4つの短編が収録されている。

 最後の動物たちのバベルは、人類滅亡後をイヌ、ネコ、リス、キツネ、クマなどが会話する戯曲。なかなか風刺と皮肉がきいているが、不気味である。