ちょス飯の読書日記
『遣灯使』 ★★★☆☆
- 作者: 多和田葉子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/31
- メディア: 単行本
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とても不思議な物語だった。
福島第一原発事故の後の何年か先の日本のようだが、・・・・老人は100歳超えても死なない体になり、ひ孫世代は歩けなくなるほど虚弱な体になっている。
日本政府も警察も民営化している。
世界から孤立した日本。見捨てられた日本。
恐ろしい、しかし滑稽に描かれている。
原発事故後の文学作品は、どれもやはり原発反対を主題にしている。
表題作以外に、4つの短編が収録されている。
最後の動物たちのバベルは、人類滅亡後をイヌ、ネコ、リス、キツネ、クマなどが会話する戯曲。なかなか風刺と皮肉がきいているが、不気味である。