ちょス飯の映画評

 『君の名は。』★★☆☆☆
 背景や自然描写はとても美しいので★をふたつ。が、観客動員数をこれほど伸ばすに値する物語だとは思えなかった。
 田舎の神社の巫女をしている女子高校生と東京のごく普通の真面目な男子高校生が、突然魂が入れ替わるという還魂記。
 何故か過去と未来がメビウスの輪のように、入れ替わり接する。

 東日本大震災後の名取市の惨状を見て、この物語を考えたと新海監督は言っていたが・・・。
 体が入れ替わった者同士が、一度も接することなく恋に落ちるという設定はどうかな。
 大災害をなんとしても愛する人のために防ぎたかった人々のために、描かれたものがたりなのだろうか。

 災害は防ぐことはできない。しかし、知恵と勇気と備えで被害を最小限に食い止めることはできる。
 ラストシーンもよくない。悲恋で完結してほしかった。