インカ帝国の末裔

 南米のペルーの高地に住む人々が、テレビに映し出された。その番組を終わりかけに見たのだが、
 彼らは、電気もガスも水道もない暮らしをしているという。
 が、非常に満足気に暮らしている。ひとりの男の畑の麦の刈り入れを村中が集まって助ける。
 その家からじゃがいもと鳥のもも肉、とうもろこし酒がお礼に振る舞われるのだが、その食器はひょうたんから作った皿やカップだ。
 小汚い。しかし、誰も皆笑顔で供する。chosu-manmaも、ひょうたんを育てて、実をならせて、ひょうたん食器を使いたくなった。

 驚いたのは、麦刈りに太鼓や笛を鳴らす人がいることだ、皆踊ったり、ふざけたりして喜んで働いている。そして、麦で作ったパンをお祝いの日だけ焼いて食べるという。硬そうで、日本の洗練された美味しいパンとは、全く違うがいかにも皆嬉しそう。
 
 これがインカ帝国の末裔の暮らし。かの帝国はスペイン人に滅ぼされたというが、どっこい庶民には当時の幸福が未だに、続いているのだ。
 麦の束を地面に敷いて、その脱穀を、馬3頭にその上をぐるぐる回らせ、踏ませてさせる、という技術はスペインから導入されたのだそうだが。