坂道を上る
こつんこつんと杖を突きながら、坂の上にある小さな神社へ向かっていたら
60代くらいの女性二人が、楽しそうにおしゃべりしながら降りてくる。
「こんにちは」と挨拶すると、「まあ!この坂を上っていかれるのですか?」と驚くのだった。
これは一芝居しなければ、とchosu-manma。よろよろとしながら、「はい、ときどき、足を鍛えるために神社へお参りしています」と答えた。
腰の骨の変形と膝関節の変形で、長い時間歩くと痛んでくるのでつっかい棒を友に、歩いているのだが、そう言われては、しゃきしゃき歩いているのは申し訳ない。
「それは、それは、どうぞお気をつけて」と励まされるのだった。
そういえば、バスでもよく席を譲られる。こちらより年配の方々まで気の毒に思ってくれるのだ。
「うわあ、有難うございます」とchosu-manmaはよろけてから、座るのだった。
途中の小さなお稲荷さん、お地蔵さんにお参りしながら、そして小さながら、室町時代から続く今は寂れてしまった坂の上の神社まで行くのが、chosu-anmaの散歩コースなのだ。