ちょス飯の映画評

 『予告犯』   ★★★☆☆

 新聞紙で四角いマスクを糊付けして、目だけを開けて犯罪を
予告して実際に制裁する予告犯。
 
 ひきこもり、ニート派遣社員、音楽活動を挫折したものなど、社会の底辺でマジメに生きようとしている若者達の、犯行だった。

 理不尽なネットの匿名の書き込みにより傷つけられた人々に、成り代わり必殺仕事人のように、完全犯罪で次々に悪者をやっつけていく。

 これは、なかなか面白いと思ったが・・・。しかし、世の中を騒がせて、ある目的を達成しようとしていたことが、だんだん分かってくる。

 ところが結末は。 以下、 ねたばれ注意!

 やや、興冷めしてしまった。フィリピン女性を妊娠させて姿をくらませた男を、見つけ出すのはもっと正当なやり方でもできた。

 しかし、父親に会いたい一心で日本に来て不当な扱いを受けて、働かされて死んでいくネルソン少年は、あまりにもかわいそうだった。
 このようなケースは、この映画の例だけではないだろう。

 哀しくて切なかった。

 主人公ゲイツ役の、生田 斗真がかっこよすぎる。負け組みの男には、ふさわしくない。

 回らない寿司を腹いっぱい食べたい、という夢はおかしかった。

 3人の仲間は、ゲイツの意志を果たそうとして、彼にのみ罪をかぶせることにしたのだろう。