ふたりでお茶を
喘息の発作が続いているのに、1日も休まず働いているchosu-pampa。一昨日は、2連休初日だったので、病院へ行き点滴をしてもらい新たな薬ももらってきた。夜、咳き込むのも減った。
昨日はどこへも出かけずに、安静にしていてほしいと頼んだが、「銀行へ行かねばならない、その後でお前とおじいさんのケーキ屋へ行きたい」と言う。
少しは咳が収まったので、彼の望みをかなえるのも心身の治療になるか、と考えてふたりで出かけた。
かねてから入ってみたかった、古いケーキ屋さんの二階の喫茶室へ。
あっと驚いた。タイムマシーンに乗って昭和40年代に到着したかのような部屋だったから。天井からはシャンデリア。床にはアールデコ調の赤い絨毯。壁には、パリの街を俯瞰で描いた大きな絵や、雰囲気のある抽象画が飾られている。各席の出窓には、お姫様が出てきそうなひだが取ってあるゆったりしたカーテン。
なんて素敵な!
よく見ると、古びていてあちこちぼろぼろになってはいたが、気品がある。すべてが偽の安物なのだろうが、高級感の演出を余すところ無くしてあるのだった。
しかも、客は誰もいない。
大きなチョコレートケーキとこーひーを注文して、ゆったりと味わった。
マダムは、ご主人を亡くして息子とこの店をやっているのだそうだ。chosu-pampaはおじいさんとおばあさんの店だと思っていたらしい。
しかも、この店はケーキ屋が街に一軒しかない時代に大儲けして建てたのだそうだ。ところが、あまり儲かるものだから、ご主人は株に手を出してバブルの時はますます儲けて別荘まで持ったという。
しかし、やはり・・・先物取引に失敗。二軒目の店も別荘も手放し、今はこの店を細々と息子とやっている・・・とマダムはコーヒーを淹れながら語った。
おいしいケーキとゆったりした時間を過ごし、いきなり高分子ポリマーのラジオ講座の放送が大きなスピーカーから流れて来て驚かされたが、シュトーレンを買って帰った。選局を間違えたのだろうか。速く帰れの合図なのだろうか。はやっていた当時には、アコーディオンのシャンソンが流れていたに違いない。
今日のランチはケーキだけにしよう、とchosu-pampaが言うのでがっくり。たっぷりのチョコレートにはカカオの含有量がはんぱなく、確かにおなか一杯になるのだった。