ちょス飯のテレビ時評
TBS金曜ドラマ 『砂の塔』 ★★★☆☆
途中までは非常に面白かったが、最終回はあまりにもひどい内容だった。残念だ。
タワーマンションの高層階に住む人の方が、下層階民よし高収入なのは確かなことだろうが、あからさまに差別したり付き合うのは止そうというところまでは、普通ならない。
しかし、ママ友間の美醜、夫の学歴や社会的地位、年収を競い合ったり侮蔑しあったりすることは実際にあることだろう。
こどもの育つ環境は、ある程度階層別の方が安全かもしれないが、やはりいろいろな階層の人々が住み、それぞれが一所懸命暮しているということを認識して育ったほうが健全に育つだろう。
いじめられるママ役・主演は菅野美穂。悪役は松嶋菜々子。背景に母親によるこどもへの虐待、虐待されている幼児を誘拐する事件があり、この犯人探しも面白かったのに、・・・。
最終回でいきなり知らん人が出てくるのは、「ノックスの十戒」違反でしょう。
故にマイナス2★。
他人から、盗聴や監視カメラで自分たちの生活が覗き見されているとしたら・・・これは非常に怖いこと。何故、ゆみこ(松嶋の役名)はこれが出来たのか、最後まで明かされなかった。
はしょりすぎの最終回だった。
実の母親が、刑期を終えてわが子を見守っていたが、いじめられていることに育ての母親が気付かなかったことは、それは胸が張り裂けそうだったことだろう。
彼女が息子を引き取りたい気持ちはよく分かる。
事件が解決して、ゆみこは立ち去り平和もどったが、いつか息子とまた自由に会えるようにしてやりたかった。産みの親より育ての親というが、自分の本当の母親を知りたいと息子が思うのは、当然だ。