2016-12-20 ちょス飯の映画評
『スケアクロウ』 ★★★★★
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2005/09/02
- メディア: DVD
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粗野で乱暴な刑務所を出たばかりの大男と彼女を妊娠させてから、逃げ出し5年も放浪している小男。ふたりがいきなり閑散とした荒れ野の道路で出会う。
ふたりとも文無しで、ヒッチハイクをしようと何も無い道端に立つところから物語は始まる。
からからと枯れ草のまるまったものが風に拭き飛ばされていく。
小男はアルパチーノ、その美しい顔に魅了される。しかし、彼は正直過ぎて優し過ぎる男だった。
大男はジーン・ハックマン。
持っている服を全部着ていて、だるまのようにぱんぱんに膨れ上がっている。それぞれの服がお洒落で、実に派手な模様なのだった。彼は陽気だが、短気なのですぐかっとなり、相手をぶん殴ってしまう。
小男は白い細長い紙箱に赤いリボンをつけたものを、大切に小脇にかかえている。まだ会ったことも無いわが子へのプレゼントにすると。男の子か女の子か分からないから、電気スタンドにしたのだという。
ふたりは洗車事業をしようと、夢を見て、それぞれの目指す街へ向うが、だんだん大男の荒んだ心が、小男によって変えられて行く。
ラストシーンがあまりにも面白かった。まだこの物語は続いている。
多くの観客は、ふたりのこれからに希望を持って映画館を出たことだろう。