古着をプレゼント

 洗濯ばさみで、襟首を縮めていた澄ちゃん(仮名)に、彼女と体型が同じくらいの友人の母上の形見の洋服を頼んで送ってもらい、二枚差し上げたところ「こんないい服、もらっていいの?」と言う。「友達がくれたのだけれど、小さいサイズのものがあったので」とchosu-manmaは小芝居をするのだった。

 大金持ちの相手に古着を差し上げるなど、失礼なことなのだが、お洒落に無頓着な優しい素直な澄ちゃんは「バカにするな」などとは、言わない。
 顔を輝かせて、喜んでくれるのだった。「よそ行きにする」という。「いや、古いものだから、普段に着るといいよ。」

 一昨日chosu-pampaと散歩して帰る途中に、澄ちゃんがもう店先にいるのを発見して、びっくりした。既に一週間前から来ているという。ご主人は働くことに、大反対だが、愛妻のわがままを許して送迎をしている。

 慌てて自宅に帰り、準備していた服を彼女が帰る午後5時少し前に、持って行ったのだ。

 友人が送ってくれてから、亡きIおばさまの服を綺麗にお洒落着洗いで洗濯して、ふんわりさせた。
 毛糸のセーターには小さな虫食い穴が合ったので、大きな四葉のクローバーをかぶせて刺繍した、ふふふ

 繊細な友人は「自分の要らないものを、見知らぬ人に上げるのはどうかな?」と言いつつも、この秋取れたさつまいもとともに送ってくれたのだった。なんと母上が亡くなってから、一度も彼女の箪笥を開けていないのだそうだ。いずれ捨てるのなら、他の人に上げてもいいじゃないか。あるいは、資源回収に出すか、古着屋に買い取らせるか。
 どうしても、取っておきたい物は選んで大切に保管して、残りは処分しなければならないときが必ず来るのに。

 さてお店で宅急便用の巻尺で澄ちゃんのウエストを測ると95㎝、足の長さは60cm。友人の母上のものは大きく見えたので、サイズを合わせてあげるよ、とズボン二本は持って帰ったが、なんと直すこともなくほぼぴったりのサイズなのだった。昨日差し上げた。

 大きいカーディガンも入っていたので、これは、chosu-manmaが、がめた。ふふふ

 17日 国立新美術館へ夫婦で『ダリ展』を見に行って、日展もやっていたが、こちらは見ず、おみやげに入選作の日本画カラスウリと山鳩の紙ばさみを買った。澄ちゃんの家にからからに乾いた、烏瓜が飾ってあったから。これを、彼女に上げよう。350円。
 この絵のカラスウリはたわわにぶら下がり、葉の色もそこはかとなく薄い色で素敵だった。もう1枚買いたかったが、・・・我慢。

 澄ちゃんに「退院祝だよ」とカラスウリファイルを差し出すと、あなたが描いたのか?などと頓珍漢なことを言うのだった。プラスチックに印刷してある商品なのに。