素晴らしき、昆虫の世界

   3月6日
 この朝、わたくしはびっくりして、悲しくてそして嬉しくなった。

 ものすごいことを知りました。

 図鑑や本では知っていたことですがこの目で見て、心が震えました。

 今朝、わが小人マンションの定期点検のため、非常階段の蓋を開けて階段を見てもらわねばならないので、その蓋の側面についていた2つのさなぎを取らねばならず、そうっと取ったのだけれど、1つはもぬけの殻、1つはさなぎが壊れてしまい、中身が出てきてしまいました。

 白いゼリー状のもので、すぐ死ぬかと思ったらぴくぴく動くので、どうしたらこの子の命を救えるかと、多摩動物公園へ電話して昆虫の専門家に問い合わせたところ、

「それは寄生バエの幼虫です」と言われました。つまりアゲハの身体は、すっかり蝿のうじ虫に取って替わられていたのです。春には蝿がアゲハのさなぎから羽化するのだそうです。
「アゲハにとっては害虫だから」と多摩動物公園の昆虫担当の先生は言われましたが・・・。この子も観察してみたい。蝿になったら、なるべく遠いところで放ちます。 とお礼を言って、電話を切りました。

 もぬけの殻の子も、羽化したのではなく、寄生蜂か何かに中身をすっかり食べられていたようです。アゲハの幼虫のユーモラスな姿を思うと、醜い気持ち悪いぷよぷよのうじ虫は、おぞましいが、彼だって一生懸命アゲハのさなぎに成り済まして、chosu-manmaを喜ばせてくれた。うじ虫には、何の罪もない。


 自然界では熾烈(しれつ)な食物連鎖、生存競争が起きている。

 寄生虫の存在は知ってはいても、57才の自分の目で確かめられて、嬉しかった。

 ああ、この世にはまだまだばあさんになっても、知らないことで
  3月15日のうじ虫君。さなぎの殻が破れた後、2日後には自らがさなぎとなって、体が乾くのを防いでいる。どんな蝿になって生まれてくるか、楽しみだ。

 なんという生命力。その力強さ!!。生きようとする不思議な能力に彼らは溢れている。素晴らしきかな!!
 Sens of wonder !!
What a wonderful world!!