ちょス飯の読書日記

 『武道館』   ★★★☆☆
 

武道館

武道館

 作者よりほんの少し若い、アイドル達の物語。

 主人公愛子は「馬鹿なのか」、と一瞬心配するが、ごく普通の高校生で意思もしっかり持っている。決して偶像ではない、血の通った思春期を生きる女の子だという点が、「アイドル」業と軋轢を生じていく。

 ももいろクローバーZをモデルとしたかのような、アイドルグループ『ネクストユー」が「武道館」を目指すという合言葉を、どんどん人気を上げて実現していく。

 まだ、売れていないアイドルの卵の女の子達を、まったくリアルな世界で女の子達と口も聞けないような、ださい男たちが応援してCDを買って、支援する図式。

 秋元康が考案したシステムなのか。

 アイドルに限らず、スターと呼ばれる人々は自由に恋愛してはならないという掟があるのだろうか。

 物語は、読者のはらはらを最大にしたところで、まるで膨らんだ風船がぱちんとはじけさせるが、・・・・・。

 私たちは、何かをするとき、必ずしないことを同時に選んでいる。

 人の選択は自由で、価値観はネットの住民には決められない。ただ、綺麗ごとに過ぎる表現なので、マイナス2★とした。

 もっと、裏のある卑怯な登場人物がいるほうが、物語としては面白いから。