ちょス飯の読書評

 『田舎でロックンロール』  ★★★☆☆

 筆者の中学から高校卒業までの、レコード遍歴エッセイ。筆者は田舎と呼ぶが、各務原市は県庁所在地岐阜市の隣町で、田畑が多いが新興住宅地として開発が進んでいるから、それほど辺鄙な町ではない。

 東京への憧れ、中学時代は校則でがんじがらめにしようとする暴力教師への反抗、そして高校では進学校で、受験勉強オンリーの体制への反感。成績急落の屈辱と非行の真似事をしていた日々が描かれる。

 皆と同じことをするのが大嫌いだったという筆者。彼の書く数学の先生はあの先生のことかな。

 私も彼と同郷で、高校が同じだ。

 私は、クラシックも流行歌も唱歌もフォークも、ロックも皆聴くし、好きなものはジャンルにとらわれない。いいものは、いい。何を聴いても、感動してしまう。

 筆者は何千枚もロックのレコードとCDを所有していて、超高音質のステレオで聴くことができる、とあるがゆっくり音楽を楽しむには、時間が必要だ。
 どうやって、そんな時間を作っているのかなと思ったら、彼はテレビを一切見ないのだそうだ。

 そう、テレビは時間をとられるもんな。

 巻末の小説が良かった。ただ、『20世紀少年』にほとんど同じネタがあるので、いかがなものか。

 ロックの音を評するのは、それを聴いたことがないものには、伝わらない。どう、心を揺さぶられるのか、うまく表現できていないので★3つ。