ちょス飯の読書日記

 『傀儡』    ★★★★☆

傀儡

傀儡

 眞砂子様は、時空を軽々と飛び越えて、この作品では、鎌倉時代を描いている。
 タクラマカン砂漠からやって来た、サライムという禅の修行僧が、踊念仏衆とともにさすらう。

 「いぬ」という名の、農婦が故郷の村を滅ぼされ、夫と息子を亡くす。敵をとろうとするのだが・・・。

 最後に、彼女の名前がなぜ「いぬ」なのかが分かる。

 伏線に次ぐ伏線。そして、必ずそれは、回収されるのだ。

 クグツ人形がどのように、動くのか、よく分からなかったのでマイナス1☆。

 最後に、傀儡の女シャカが、父親知らずの胎の子を、「産んだらやる」といぬに言う場面。涙が流れた。

 子を要らぬものと、子を亡くし悲嘆にくれるもの。シャカも、ひとりは産んで育てたいと思っていたが、いぬに希望を与えたのだ。

 親鸞日蓮、時頼、時のオ−ルスタ−が名も無き農民とからみあう。

 眞砂子様は時代小説も、面白い。