ちょス飯の読書日記
『傀儡』 ★★★★☆
- 作者: 坂東眞砂子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/05/26
- メディア: 単行本
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眞砂子様は、時空を軽々と飛び越えて、この作品では、鎌倉時代を描いている。
タクラマカン砂漠からやって来た、サライムという禅の修行僧が、踊念仏衆とともにさすらう。
「いぬ」という名の、農婦が故郷の村を滅ぼされ、夫と息子を亡くす。敵をとろうとするのだが・・・。
最後に、彼女の名前がなぜ「いぬ」なのかが分かる。
伏線に次ぐ伏線。そして、必ずそれは、回収されるのだ。
クグツ人形がどのように、動くのか、よく分からなかったのでマイナス1☆。
最後に、傀儡の女シャカが、父親知らずの胎の子を、「産んだらやる」といぬに言う場面。涙が流れた。
子を要らぬものと、子を亡くし悲嘆にくれるもの。シャカも、ひとりは産んで育てたいと思っていたが、いぬに希望を与えたのだ。
親鸞、日蓮、時頼、時のオ−ルスタ−が名も無き農民とからみあう。
眞砂子様は時代小説も、面白い。