ちょス飯の読書日記

 『沈黙の町で』  ★★☆☆☆
 

沈黙の町で

沈黙の町で

 誰もが顔見知りの地方都市で中学2年生のいじめられっ子が、夏休み前のある日の夕暮れ時に、校庭の側溝にはまって死んでいるところを、先生が発見する。

 中学生のいじめ、いじめる側といじめられる側の事情。いじめたとされる、テニス部部員たちの証言。その母親達の、「わが子はそんなことをするはずがない。」「リーダー格は〇君だ。」という、ごく一般的な市井の人々の対応。

 亡くなった子どもの母親は憔悴しきって、「事実が知りたいだけだ、」と苦悩する。
 が、わが子もより弱い部員や、女子に暴力を振るっていたと知らされて、愕然とする。
 
 いじめたとされる中学生たちへの、筆者の優しいまなざしがある。

 しかし、亡くなった子の性格描写が、はんぱだ。何故、ひとりっこで金持ちのぼんぼんなのに、親はいじめられていることに気付かないのだろう。

 中学生になると、親にはチクらない、とあるが・・・。溺愛されているぼんでも、そうなのか?

 仲間を平気で裏切る人物なら、親に自分が受けているいじめをとっくに言っている気がする。

 ラストも、予想がつく落ちだった。

 同じ題材の宮部みゆきの『ソロモンの偽証』が、あまりにも手が込んでいて、いじめ当事者、周りの同級生、その親たち、マスコミと教育現場の人々などを非常に丁寧に描いており、とくに自殺した(か殺されたか、事故死なのか)の少年の、内面の描写がすごかったので、こちらはどうも、綺麗ごとにまとまった感が否めない。


 以前見せた羊の親子のぬいぐるみを、欲しい、と言ってくれたので、午後2時頃、近所の万屋の高齢パートのМちゃんに、もう一対縫って見せに行った。年賀状用の写真を撮ってから。

 本当に買ってもらえますか、大丈夫かな?と思ったが、明日代金4500円を持ってくる、と約束してくれた。ほッ。

 夕方5時過ぎに、新聞の集金にKちゃんが来た。寒い中、鼻水をすすって待っていた彼が、今年で仕事を辞める事にした、と言う。次の仕事は、まだ決まっていないと。訊けば、一人娘がいて、小学校4年だと。転居はせず、chosu-manma
タウンには、住み続けると言うが・・・。この寒空の下、父ちゃんが失業中に正月を迎えるなんて・・・。

 部屋の中は、ごたごただが、ちょっと上がってくれ、と頼み、chosu-manmaの作り貯めて、売れ残っている人形屋ぬいぐるみからひとつ選んでもらった。娘さんにクリスマスの朝、渡すように、と。アヒルの母さんを彼が選んだので、ひよこの赤ちゃんもおまけした。

 彼には、千 昌夫ショーの招待券をもらった借りがあった。娘さんが、喜んでくれますように・・・。