ちょス飯の読書日記
『梟首の島』上・下 ★★★★★
- 作者: 坂東眞砂子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: 講談社
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明治維新のことを、日本史で習ったが、実際はどうだったのか。よくよく分かった。無論、史実に物語を混ぜて書かれているが・・・。
歴史上の大人物、板垣退助、植木枝盛、岩倉具視がどんな人だったか、面白く描かれていて興味深い。
舞台はロンドンと高知。時間軸がロンドンの方は現在、高知は20年くらい前から、一章づつ交互に物語が書かれている。
最後に、ぴたりと二つの物語が重なるところ、がすごい!!
自由民権運動の地となった高知の田舎に暮らす岩神むめ、長男大洋、東吉親子が主人公。むめが女性の自由について目覚めていくところ、爆裂弾を手に演説するところは、すごかった。
東大へ進みロンドンに留学した大洋が、切腹自殺するところから物語が始まるが・・・。何故、自殺したのか、その謎解きがそのまま、日本と西洋の文化の違い、それを受け入れることのできない留学生の苦しみを露にしていく。
東吉は、真に自由に暮らせる無人島を目指して船出していく。
タヒチに住んだ作者の願いは、国家からの自由だったのだろうか。
おまい様という、猿顔のおばあさんが非常に重要な人物であることが、最後に分かる。
梟首(きょうしゅ)とは、斬首した首を木に載せて晒すこと。
梟首の島とは、どこのことでしょう。読んでみて欲しい。