ちょス飯の読書日記
『イティハーサ』ぶーけ豪華版 1〜15巻 ★★★★☆
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15巻最終章、最後の終わり方が、どうも解せない。5回読み返して、やっと作者の言わんとすることが分かった。14巻までは興奮して読みすすんだのだが・・・。
人間の幸福とは何か。究極の遠距離恋愛の成就。
神とは何か。神と呼ばれるものは、人間を試すものなのか。
目に見える神々は、目に見えぬ神(と呼ばれるもの)を信奉するものによって、遂に後塵に帰す。
作者の見た夢を語ったそうだが、壮大な時空を超えた物語だった。過去の日本なのか、未来の世界なのか分からない。
異世界のファンタジーとはこういうものを指すのだろう。
あかいし(陽石)とかげいし(陰石)をまことのり(真の言葉)を唱えて、命を助けたり、奪ったりできるという設定が面白い。勾玉には、なるほど、そういう意味が本当にあったのかもしれない。
また、神の鏡と刀にも、深い意味があった。
大団円で文字言葉で、目に見えぬ神の存在を示したが・・・。よくわからなかった。これは、「聴こえてきた」と言う場面なのだろうか。
それにしても、10数年にわたり最後まで、完璧に物語を書き続けた作者の熱意に驚嘆する。
少女マンガらしい、可愛らしく美しい登場人物。
山や海の波や背景も、よく描かれている。
作者の愛する植物の美しさ、背景のトーンの丁寧さに驚いた。
だが、悪の神、威神が皆不細工でおどろおどろしい妖怪変化ばかりで、善の神、亜神が見目麗しい女性のような美人ばかりなのは、・・・・信奉するもの、読者に分かりやすくするためか。
鬼幽様が、クールでかっこよかった。一狼太は本当に、悲しい男だった。最後に、二組の愛するもの同士が、再びめぐり合い結ばれたのだと思いたい。