ちょス飯の読書日記

 『ヤマトタケルノミコト』  ★★★★☆
 

ヤマトタケル

ヤマトタケル

 原作を漫画化。

 筋骨隆々たくましい、タケルの裸絵が素晴らしかった。

 ヤマトタケルが、父に疎まれクマソ征伐へ行かされて「死ぬように」仕向けられる。古事記日本書紀に書かれていることを元に、書かれた物語だ。

 母を知らず、兄ばかりを愛する父を持ったヤマトタケル。とても不憫だ。だが、オトタチバナヒメと結ばれ幸せだった時期もある。
 愛する姫が、海を沈めるため身を投げるところは、本当に悲しかった。神に身を捧げても、愛する人のためなら惜しくないという場面。

 息子達兄弟が父の愛情を得ようと、嫉妬しあったり競う物語は、聖書にもある。

 また古事記の解説書を読んでみて、神話時代から天皇家のご先祖が跡目争いで、こうも戦いに次ぐ戦いに明け暮れていた時代があったとは、驚かされた。
 奸臣と后の密通や、帝の騙されやすさは、後世の人の創作なのだろうか。パターン化している。