ちょス飯の読書日記
『ヤマトタケルノミコト』 ★★★★☆
- 作者: 山岸凉子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1987/12
- メディア: 単行本
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筋骨隆々たくましい、タケルの裸絵が素晴らしかった。
ヤマトタケルが、父に疎まれクマソ征伐へ行かされて「死ぬように」仕向けられる。古事記と日本書紀に書かれていることを元に、書かれた物語だ。
母を知らず、兄ばかりを愛する父を持ったヤマトタケル。とても不憫だ。だが、オトタチバナヒメと結ばれ幸せだった時期もある。
愛する姫が、海を沈めるため身を投げるところは、本当に悲しかった。神に身を捧げても、愛する人のためなら惜しくないという場面。
息子達兄弟が父の愛情を得ようと、嫉妬しあったり競う物語は、聖書にもある。
また古事記の解説書を読んでみて、神話時代から天皇家のご先祖が跡目争いで、こうも戦いに次ぐ戦いに明け暮れていた時代があったとは、驚かされた。
奸臣と后の密通や、帝の騙されやすさは、後世の人の創作なのだろうか。パターン化している。