ちょス飯の読書日記
『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』★★★★☆
- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/02/27
- メディア: 単行本
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ただひとり母親と血のつながらない次男は、きょうだいの中で、一番母親を愛している。
残された3人のきょうだいの語りで3章、長男亡き後の暮らしが綴られる。最後の第4章は「皆」。
母がアルコール依存症になって行くが、父も子ども達も皆それぞれに助け合い、母を支える。
母親は亡くなった子を思うあまりに、夫や子ども達のことに気遣いができなくなってしまう。
死んだものも、生きているものの幸せを願っているだけで、まさか、ここまで家族を苦しめているとは知らないだろう。
大切な人を亡くしても執着していては、成仏できない、と仏教で教えているが、まさにそのことを描いている。
母親が、正常に戻りましたという終わり方ではないが、希望の持てる作者の答えが書いてあった。
3.11で突然愛する人々を失った人、自死や事件事故で亡くした人々に対するエールなのかもしれない。
やや、物足りない展開。なので、マイナス1★