ちょス飯の読書日記

 『ハトシェプスト』  ★★★★★
 

 古代エジプトの女王の物語。怖い怖いお話。だが、紙幅が足りない。もう少し続けて欲しかった。

 ミイラの作り方が少し面白かったが、この表題作より『海の魚鱗宮』と『スピンクス』が素晴らしかった。
 前者は、自分の過去の過ちをずっと悔いている母親が、真相を知るまで、後者は母から過剰な愛情を受けて、精神の平衡を失ってしまった青年の回復までを描いている。

 とくに、スピンクスのなかの青年の「夢」狂気の表現が怖かった。