ちょス飯の読書日記

 『高峰秀子 暮らしの流儀』 ★★★☆☆

高峰秀子 暮しの流儀 (とんぼの本)

高峰秀子 暮しの流儀 (とんぼの本)

 引退後の大女優の悠々としたわがまま一杯の暮らし。写真とエッセイ彼女らしい楽しいものばかりだが、・・・。

 写真は、とても気取って写っているものばかり。彼女の使っていた食器や好んだ骨董も美しい、高級なものが多い。

 わずらわしい人間関係を絶ち、不要物は捨てて暮らす潔さに憧れるものの、何か空疎な感じがする。

 が、捨て猫を晩年可愛がったエピソードはほのぼのするので☆3つ。

 やはり、海外旅行や半年はハワイで暮らすなどの暮らしは、庶民とはかけ離れている。金があるからこそできる。

 貧乏人には羨ましい限りだ。いくら、50年間身を粉にして働いてきた結果として味わえる暮らしだとしても、反感を持ってしまうのか、面白くない。

 たいていの女は、女優などという職業には就けない。貧乏なまま生き、報われること無く死ぬのが庶民だ。

 女優時代のエピソード、養母との葛藤の書かれたエッセイの方がやはり愉快だった。