ちょス飯の読書日記
『もらい泣き』 ★★★★☆
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本
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苦しい時代があり、必ず救いがある。誰かが誰かの役に立っている。誰も大切なかけがえの無いメンバーだ。
若くしてアルツハイマーになってしまった妻の化粧をし続けた作家の話と、震災後、老犬が飼い主の女子大生を守るため、急にしゃきっとなって自分の力のすべてを出し、彼女の生活が安定してきた頃、役割を終えたとばかりに安心して、死んでいった話がとくに印象に残った。
巻末の公募作品も、素人の人の日常の中で「救い」があることを書いていた。
このエッセイ連載中に2011.03.11がやって来た。
福島在住だった筆者も計り知れない衝撃を受けたと思う。
彼のテストパイロットだった祖父のエピソードは、素晴らしかった。被災地の人も読んだだろうか。
大変な心の傷を負った人への応援、読む薬でもある。