ちょス飯の映画評
「太陽がいっぱい」 ネタバレ注意
太陽がいっぱい 最新デジタル・リマスター版 (Blu-ray)
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2011/05/28
- メディア: Blu-ray
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ラジオで清水ミチコが、お勧めの映画№1だと言っていたので、図書館で借りて見た。
成程、アラン・ドロンの美しさとかっこよさにしびれたが、それだけではない。金持ちの青年とその使い走りをさせられる貧乏な青年の対比、鬱屈。周りのひとの態度も非常に自然で、皮肉がきいている。まず、金持ち青年が不良で傲慢、「金さえ払えば貧乏人は自由に出来る」と盲人に「杖を寄越せ、売れ」という場面に面食らった。さらに、杖を使い、盲人の真似をして金持ちのマダムに取り入り車に乗せてもらう。・・・が、そこで、彼女が落としたピアスが後で重大なアイテムとなる。
日本では、身体障害者のことをからかう場面などまず製作できないだろう。
トム(主人公)が、金持ち青年を殺し彼に成りすまそうと、様々な画策を間一髪成功させていくが・・・観客は皆、彼が捕まりませんようにと祈って見ていたことだろう。
最後彼が、渚で一番良いドリンクをと頼み「太陽がいっぱいだ」とつぶやく。ほっと、くつろぎ悠々と椅子に沈み、完全犯罪の成功を喜ぶシーン。
一方で大どんでん返しが映る。
彼は、刑事の手が数メートル先に迫っているのを全く知らない。やや不安ながら満足した表情でいる。
そこでfin。
本当におしゃれで物悲しい。金持ち青年を殺した後、大金をせしめられなかったところがリアルだが、マイナス1☆。
青い地中海の海の色、太陽の輝きがまぶしかった。