ちょス飯の読書日記
『カッコウの卵は誰のもの』 ★★★☆☆
遺伝子により、スポーツ選手の能力を峻別し金儲けにもつなげる・・・という題材は、もう現実のものとなっているだろう。
なかなか面白そうだと読み進めたが、・・・赤ちゃんが、流産と事故死と養子となる三様が描かれているのは、どうか。
託卵をするカッコウのしたたかな習性を、ヒントにしたのか。
自分の娘が、他人の娘だったという衝撃。親子は、血のつながりが、一番なのか、という問題提起。
運動センスの遺伝子は、もう明らかになりつつあるのだろうか。貧しいものが、先物買いで企業にスポーツを強要されたら・・・これは、怖い。
逆に、才能がなくともノルディックスキーを愛し、懸命に練習を続ける心臓の弱いフジイが良かった。彼にも、ライフル銃を撃つ競技をしたい、という確固たる目標がある。そのことに、驚いた。
東野は、才能を「卵」と見なすと書いているが、ピンとこない。