傲岸

 たくさん、彼女に見せたい写真や話したいニュースがある。chosu-manma
なら、どんなにばあさんを笑わせることが出来ただろうか。

 時間もお金もありあまる彼女に、月収4000円のチラシ配達婦のchosu-manmaが2時間かけて通う教室へ6回分の日にちを書き、いずれかの日でご都合のよい日においでになりませんか。授業前の2時間ほどなら、お会いできますよ」、と懇切丁寧に書き送ったが・・・
 手紙に書いたとおり、彼女宅に届いた翌日、電話で日にちを尋ねようとすると「家を出るのが嫌い。お前が来い。」というお言葉。

 だが、開口一番「自宅にいるのが怖くてたまらない。いつ泥棒が鍵を壊すかわからないと矛盾発言。
 「身内を一辺に亡くした。寂しい。」といつもの口癖を言った。

 対策はいくらでもある。安全な設備強化。近所にいるご家族に会いに来てもらう。定期的に泊まってもらう、あるいは同居する、ご近所と連携して防犯対策をされたらいかがでしょう・・・・老人の趣味の仲間に入られたら・・・などなど 愛のある言葉をかけてしまうchosu-manma。

 だが、ひとつひとつを出来ないという。自分の周りの老人は教養が無い。つきあえない。家族にさえ気を遣いたくない。それが、彼女の孤独の元なのだった。

 今思うと彼女は嘘つきだった。東大教授や、高名な脳外科医が友人で来客が一杯来るとも言う。「〇を上げるから、来て」という。だが、一度だけ訪問した時何もくれなかった。もらいたいとも思わないが・・・・
 大邸宅を拝見できると、うきうきして行って見たら・・・質素な築40年以上の家だった。

 日本人らしく、のらりくらりと「いつか行きます」その日になったら「急用ができたのでキャンセル」を繰り返せば良かったのだろうか。
 
 chosuは、「ママは、どんだけ八方美人なんだ。相手に希望を持たせすぎ」などと言う。

 自分の悲しみは自分で、折り合いをつけるしかない。自らを不幸にしている、彼女の思考・行動パターン。「しあわせは、自分のこころがきめる」とばあさんに教えたかった。