ちょス飯の読書日記

 『ポリティコン』下 ★★★☆☆

ポリティコン 下

ポリティコン 下

 脱北者を助けるブローカー・・・それは、多分存在するだろう。
 美少女のマヤが、唯腕村の理事長に愛され犯されてしまう。しかし、最後は・・・憎しみが愛に変わる不思議。

 実験的な小説に桐野氏はこのところ、凝っているのかな。あるいは、昔流行ったものの裏事情を暴くのが、面白いのかな。

 理想郷の実態。助け合いの村の行く末は、リアルで哀愁があった。ただひとり、マヤを案じていた北田(クニダ)が最期まで善人だったのは良かった。だが、終わり方が尻切れの感じ。もっと脱北ビジネスを、書いてほしかった。これは、たとえ小説とは言え、作者にとり危険なことなのかもしれない。

 これを、読み終えて金総書記の死去を知った。なんとか拉致された人が無事に解放されすように。