ちょス飯の読書日記
『ドーン』 ★★☆☆☆
- 作者: 平野啓一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 単行本
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近未来SFだが・・・・。多岐にわたって書きすぎている。
火星がどんな星か、人類は何を求めてここへ向かったのか・・・むしろ、そのことを主題にして壮大なスケールの作品にしてほしかった。
あまりに多すぎる、そのひとつひとつが一作品にできる濃密なテーマ。
「殺人蚊ニンジャ」「東アフリカ紛争」「民営戦争」「妊娠中絶」「宇宙船内での性交」「散影」「幼な子を失う」「人種差別」「民主主義と戦争と大統領選」「宇宙開発とレアメタル争奪戦」「親子間の葛藤」「優秀な女の孤独」「マスコミ」「貧困」「夫婦愛」などなど・・・・・
もう少し単純化して、大らかにゆったり分かりやすく書いてほしい。「ため」がない。
個人の死を悲しむことが出来るのは人だけ・・・・という件はすばらしかった。ゴダイゴの歌ったビューティフルネームを思い出す。
ひとりずつひとつ、ひとりずつひとつ、・・・・。地球人には名前がある。美しい名前が。
東北関東大震災で二万数千人もの人々の命が消えた。
ひとりひとりに名前があり、暮らしがあった。
生延びた人たちにどうかどうか、神のご加護を。