ちょス飯の映画評

 『ミレニアム・ドラゴンタトゥーの女
  

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 [DVD]

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 [DVD]

 原作と若干違うところもあるが、ほぼストーリー通り。分厚い上下巻の内容を二時間余に圧縮しているので、ちょっとはしょりすぎ。もう少し、「ため」やゆとりがほしい。アメリカのハリウッド映画とほとんど変わらない作りで、初めて見たスエーデン映画だが彼の国らしさをもっと見たかった。
 雪の風景や、電車、町並みは素晴らしかった。

 リスベットの鼻ピアスは良くない。片鼻だけなら良いが、鼻輪上に両鼻にまたがるのは見ていて辛い。
 弁護士ビョルグをやっつけるところは、かっこよかった。焼け死んでいく犯人を、冷たく見据えるヒロイン。かっこいいーーー!それでも、ミカエルは、「何故助けなかったのか」と、どこまでもヒーロー的。

 作者スティーグ・ラーソンのインタビュー記事がDVDのおまけについていて、彼自身が信念に基づいて様々な社会問題を公にすることにかなり危険が伴っていたことを知った。脅迫されたり、仲間が殺されたり、印刷所が破壊されることもあったという。
 架空の推理小説として軽い気持ちで『ミレニアム』を書いたというが、彼の怒りと悲しみが底にある。