ちょス飯の読書日記
中村 文則著『悪と仮面のルール』
- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/06/30
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
悪とは何か。この作者のいつも追及しているテーマ。怖い。
怖いもの見たさで、一気に読んでしまった。
私が、男なら金玉がちぢみあがっただろう。
<ネタばれ注意>
松本清張も、こどもの殺意を描いているが・・・・・
こどもが、大人を欺くためにこどもっぽいふりをする。そして、相手が騙されるとやや安心する。周囲を欺き、油断させる自分を演じる。これは、怖い。
あまりにも恐ろしい、冒頭。父が「僕」に言った。「世に悪を生す為に、お前を生ましめた。14才になったら地獄を見せる」とは。
愛するもののために、障害を除く。そのものと結ばれなくとも、思い続けて生きる。純愛物語でもある。
戦争の作り方の話には、驚愕した。戦争はすべて、利権のための民営戦争だという。これは、本当のことなのだ。本当のことは「怖い」。
しかし、武器商人でもある父たちは金がほしい訳でもない。自分が死ぬのに、この世が終わらないのが気に食わないだけなのだ。
日本の首相に「郷ひろみのものまね強要」を目的とする政治家テロが起きる。やらなければ「髪の薄い順に殺す」ときた。これは、少し可笑しい。
ただし、講談社発行らしく最後は、ほっとできる。