ちょス飯の読書日記

 『ミレニアム 3』 上・下 ★★★★★
 

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上

 
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下

  ネタばれ注意!
 まさに題名どおり瀕死の状態で病院のベッドに眠る女リスベット・サランデルと彼女を救い出そうと立ち上がった狂卓の騎士たちのの大活劇。
 敵は、巨悪の陰謀者たちだ。
 ミレニアム2の冒頭、リスベットとおぼしき少女が、13才の誕生日を、児童精神病院のベッドに拘束されている場面で、「主治医テレボリアンを必ず殺す」、と誓うが・・・・。
 子どものころから、周囲に心を閉ざしいじめられてきた「アスペルガー症候群」のヒロインが、良き理解者をゆっくりと一人ずつ得ていく。 
 彼女を守りたいと立ち上ったのは、騎士達だけではない。女戦士が歴史上いたことを繰り返し筆者は章の初めに書いている。
 心理学者でもある弁護士、腕っ節の強い筋骨たくましい身長180㎝の女公安刑事、もと警察官のセキュリティー会社の女ボディガード、新聞社の女編集長・・・・。皆美しく、正義漢だ。
 鮮やかな法廷劇の後、最後の最後にわれらがリスベットが誰の力も借りず、二mの金髪巨人をやっつける。
 本当に凄まじい闘いだった。
 
 最後に、人を愛する事をリスベットは覚える。粋なラストシーンだった。

 作者の女性への尊敬のまなざしを感じた。
あまりにもひどい目に遭わされている者への、闘い方の指南でもある。弱きものに勇気を与えて、わずか五十才で作者スティーグ・ラーソンは2004年に急死。無念だ。