ちょス飯の読書日記
スティーグ・ラーソン著 『ミレニアム2』上・下
- 作者: スティーグ・ラーソン,ヘレンハルメ美穂,山田美明
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/04/02
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『ミレニアム2・上巻』では、1巻でミカエルの命を救ったリスペットが、殺人容疑で指名手配されているところで終わったので、下巻を読めるまで非常に、はらはらしながら過ごした。
結末は、明かせないがもうSF怪奇ホラー状態。怖かったーー。ちょっと現実離れしすぎ。
リスペットがフェルマーの定理を解いてしまったかのような記述が下巻398頁にあり、詳しく知りたかったが詳細は書いてなかったのが残念。
この2点は、気になったがあまりにも面白いので、一気に読んでしまった。
恐ろしい。暴力やレイプの場面も怖いが、大人がこどもを黙らせるために拘束や拘禁することも辞さず、いたぶり興奮するという権威ある児童精神科医の所業に震撼した。そして、マスコミの馬鹿さ加減・・・。ソ連崩壊の恐るべき結果・・・・。
これは、恐らくひとつひとつにモデルがある。様々な事件取材を基に、作られているのだろう。
子どもや少女への虐待や人身売買、強制売春。それを商売にして暮らしている者。また、少女の買い手が法を守るべき立場の警察官であったりする事実。作者の怒りを、娯楽ミステリー小説の形で著し、自国の暗部を世界に知らしめた。いや、弱きものに対する暴力は全世界に共通だ。普遍的な問題である。
リスペットの頭の良さ、それ以上に中学生くらいにしか見えぬやせっぽちな体で、むくつけき巨人までやっつけてしまうアクションがすごい。
また、彼女がアスペルガー症候群のコミニュケーションが出来ぬ女性だと言う設定も惚れ惚れする。武士道ではないか、まるで。
愛する人を助けるけれど、その人に自分が助けたことを決して悟らせたくない。
愛する友を傷つけたものを決して許さない。
自分より強いものに、巨悪に対して決してひるまない。
スーパーヒロインの映画も、既に出来ているらしい。