ちょス飯の読書日記

 中村文則著 『銃』  ★★★☆☆
 

銃

 これは、カフカ信者らしい処女作。
最終章は無い方が良い。とも思うが・・・不条理に終わるところがより良いのかも知れない。
 何かを通して、自分を見ている「私」。

 彼の作品に登場する女性は、乾きすぎていて魅力がない。本作には、性交させてくれる便利な女性と恋愛ごっこさせてくれる女性とが出てくるが・・・・。「そうしたら面白いかもしれない」とまるで、演技しながらいきている「私」。小説のなかの話だが・・・・。こういう若者が一般的なのかもしれない。

 銃ーー人殺しの武器を手中にした「私」が万能感を持ち楽しくなってしまうが・・・・。これも、人間の根源にある「暴力の意思」を表現している作品だ。