蘇る人

 昨日市民講座で、講師のコレクションを拝見することができた。
 1800年代のアメリカの銀板写真と、明治時代の日本の湿板写真。

 とくに、アメリカの銀板写真には驚かされた。200年前に生きていた人が、非常に鮮明な姿で、そこにいたから。黒革のケース入りで、赤いベルベットで裏地が張られていた。
 遠い昔、アメリカに生きていた人が、蘇って私達の前に現れた。多分、写真を遺せるということは、彼は相当なお金持ちの地主か、商人、あるいは政治家だったのろう。40代くらいの男性が正装して、肖像画のような角度で無表情に佇んでいた。