ちょス飯の読書日記

 『敗走記』★★★★★
  

敗走記 (講談社文庫)

敗走記 (講談社文庫)


 『白い旗』★★★★★
   

白い旗 (講談社文庫)

白い旗 (講談社文庫)

 水木しげるが、紙芝居作家から貸本作家に転身した初期の頃の作品。太平洋戦争の事実に基づいたフィクション戦記。渾身の迫力場面。劇画調で、後の鬼太郎や三平のゆるい人物描写と異なり、非常に強い線で描かれ劇画調だ。若き日の水木御大の純真さあふるる戦争秘話、美談、英雄譚。擬音の文字がかわいらしい。「ぼがん」とか、「どどどどどど」とか。

 以前読んだ『総員玉砕せよ』 

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

は、とても悲惨でリアル、戦争の不条理、日本軍の非道(命を大切にしないこと)にものすごく怒る水木氏の回想録。
  
 『ゲゲゲの女房』大ヒットで水木御大の過去の戦記物が読めて幸せ。貸本の復刻にご当人も驚いておられるとのこと。でも、本当はもっと大画面で読んでみたかった。ジャングルの中で、水木御大が崖から墜落するのを防いでくれた塗り壁に感謝。妖怪たちに感謝。トペトロたち、南の島の原住民の皆様に感謝。