ほんの少しだけ暑さ和らぐ

 体感温度は、不思議だ。やや暑さが緩んだ気がしたが、昨日の気温よりたった一度低いだけだ。しかし、これをちょっぴり違うだけでも、人間は感じることができるのだ。

 体が暑さに慣れたのだろうか。
 chosu-manmaが小学生のころは、夏休み前の最高気温で27度くらいだった気がする。しかし、それをどえらい暑さだと感じていた。40年で10度も上がるとは!
 生態系にも、かなりの影響が出てきている。
 
 蝉の鳴き声をあまり聞かない。暑すぎると、羽化できないのでは?

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 ∪宅に、ニトリから家具が運び入れられた。なかなかお洒落で機能的なトール家具。食器棚の他、テレビ台など同じデザインのものが四点も。∪夫妻は見物客に満面の笑顔。
 「これは、素敵!新婚家庭みたいになったねえ!」
 もう捨てるから、というので、今まで使っていた古い小さい家具をchosu-manmaは二つもらう。

 chosu-pampaの模型オートバイと昆虫のフィギィアやらなんやらを入れるためだ。この家具を置くために、電話台として使用していた超でかいスピーカー二つを、別の部屋にいざける。(移動させる)
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 鈴鹿8耐が今年も始まった。
 chosu-pampaと初めてデイトしたのは、今から四半世紀前、場所は鈴鹿サーキット8耐レース観戦だった。彼は、高一のときからオートバイが好きで、自分のことをWindyと名乗っていた。小柄で足が短いので、車高が低くないと足が届かない。頭が異様に大きいので、ヘルメットは特大だ。

初めてのデイトに張り切ったchosu-manma。お洒落して履き慣れぬハイヒールを履いていき、足が痛くて歩けなくなってしまった。涙も出てきた。
 だって観覧席に座ったまま観戦すると思うでしょう、普通。
 あほうなchosu-pampaは、スタートを見に行こう、次はヘアピンカーブのところで見よう、次は・・・などと言って、レディを延々歩かせるのだった。

 そして、背筋が凍りそうになった。このレースが八時間も、同じコースを周回するのだと、当日、レース場で初めて言われたので。炎天下ただただ、オートバイのずぎゅぎゅぎゅぅぃーーんという爆音を聞いて、八時間もの間、ライダーの危ない姿を見続けるなんて、絶対いやだ。まったくオートバイにもレースにも関心がないのだもの。あなたが好きだから、一緒に来ただけなのに・・・・あほうだとは、思っていたけれど、これほどあほうだとは・・・デリカシーのないchosu-pampaにchosu-manmaは大いに憤慨した。

 「もう、帰ります。遅くなると父が心配しますから。」とchosu-manmaは、一時間も見ないで、ひとりで帰宅した。途中でぺたんこサンダルを買い、靴を替え足をひきずりながら。
 chosu-pampaは、未練がましく出口まで付いてきて、両手で柵の金網を握って、悲しそうな瞳でchosu-manmaを見つめていた。っけ